エレミヤ書20-21 ; Ⅱテモテ4

エレミヤ書

第20章

20:1さて祭司インメルの子で、主の宮のつかさの長であったパシュルは、エレミヤがこれらの事を預言するのを聞いた。20:2そしてパシュルは預言者エレミヤを打ち、主の宮にある上のベニヤミンの門の足かせにつないだ。20:3その翌日パシュルがエレミヤを足かせから解き放した時、エレミヤは彼に言った、「主はあなたの名をパシュルとは呼ばないで、『恐れが周囲にある』と呼ばれる。20:4主はこう仰せられる、見よ、わたしはあなたを、あなた自身とあなたのすべての友だちに恐れを起させる者とする。彼らはあなたが見ている目の前で敵のつるぎに倒れる。わたしはまたユダのすべての民をバビロン王の手に渡す。彼は彼らを捕えてバビロンに移し、つるぎをもって殺す。20:5わたしはまたこの町のすべての富と、その獲たすべての物と、そのすべての貴重な物と、ユダの王たちのすべての宝物をその敵の手に渡す。彼らはこれをかすめ、民を捕えてバビロンに移す。20:6パシュルよ、あなたと、あなたの家に住む者とはみな捕え移される。あなたはバビロンに行って、その所で死に、その所に葬られる。あなたも、あなたが偽って預言した言葉に聞き従った友もみなそのようになる」。
20:7主よ、あなたがわたしを欺かれたので、
わたしはその欺きに従いました。
あなたはわたしよりも強いので、
わたしを説き伏せられたのです。
わたしは一日中、物笑いとなり、
人はみなわたしをあざけります。
20:8それは、わたしが語り、呼ばわるごとに、
「暴虐、滅亡」と叫ぶからです。
主の言葉が一日中、
わが身のはずかしめと、あざけりになるからです。
20:9もしわたしが、「主のことは、重ねて言わない、
このうえその名によって語る事はしない」と言えば、
主の言葉がわたしの心にあって、燃える火の
わが骨のうちに閉じこめられているようで、
それを押えるのに疲れはてて、
耐えることができません。
20:10多くの人のささやくのを聞くからです。
恐れが四方にあります。
「告発せよ。さあ、彼を告発しよう」と言って、
わが親しい友は皆
わたしのつまずくのを、うかがっています。
また、「彼は欺かれるだろう。
そのとき、われわれは彼に勝って、
あだを返すことができる」と言います。
20:11しかし主は強い勇士のように
わたしと共におられる。
それゆえ、わたしに迫りくる者はつまずき、
わたしに打ち勝つことはできない。
彼らは、なし遂げることができなくて、
大いに恥をかく。
その恥は、いつまでも忘れられることはない。
20:12正しき者を試み、
人の心と思いを見られる万軍の主よ、
あなたが彼らに、
あだを返されるのを見せてください。
わたしはあなたに、わたしの訴えを
お任せしたからです。
20:13主に向かって歌い、主をほめたたえよ。
主は貧しい者の命を、
悪人の手から救われたからである。
20:14わたしの生れた日はのろわれよ。
母がわたしを産んだ日は祝福を受けるな。
20:15わたしの父に「男の子が、生れました」と告げて、
彼を大いに喜ばせた人は、のろわれよ。
20:16その人は、主のあわれみを受けることなく、
滅ぼされた町のようになれ。
朝には、彼に叫びを聞かせ、
昼には戦いの声を聞かせよ。
20:17彼がわたしを胎内で殺さず、
わが母をわたしの墓場となさず、
その胎をいつまでも大きくしなかったからである。
20:18なにゆえにわたしは胎内を出てきて、
悩みと悲しみに会い、恥を受けて一生を過ごすのか。

第21章

21:1ゼデキヤ王は、マルキヤの子パシュルと祭司マアセヤの子ゼパニヤを、エレミヤのもとにつかわし、21:2「バビロンの王ネブカデレザルがわれわれを攻めようとしているゆえ、われわれのために主に尋ねてほしい。主はそのもろもろの不思議なわざをもって、われわれを助け、バビロンの王をわれわれから退かせられるかも知れない」と言わせた。その時、主の言葉がエレミヤに臨んだ。
21:3エレミヤは彼らに答えて言った、「あなたがたはゼデキヤにこのように言いなさい、21:4『イスラエルの神、主はこう仰せられる、見よ、あなたがたが、この城壁の外にあって、あなたがたを攻め囲むバビロンの王およびカルデヤびとと戦うとき、わたしはあなたがたの手に持っている武器をとりあげ、これを町の中に集めさせる。21:5わたしは手を伸べ、強い腕をもって、怒り、憤り、激しく怒って、あなたがたを攻める。21:6わたしはまたこの町に住む人と獣とを撃つ。彼らはみな重い疫病にかかって死ぬ。21:7主は言われる、この後、わたしはユダの王ゼデキヤとその家来たち、および疫病と、つるぎと、ききんを免れて、この町に残っている民を、バビロンの王ネブカデレザルの手と、その敵の手、およびその命を求める者の手に渡す。バビロンの王はつるぎの刃にかけて彼らを撃ち、彼らを惜しまず、顧みず、またあわれむこともしない』。
21:8あなたはまたこの民に言いなさい、『主はこう仰せられる、見よ、わたしは命の道と死の道とをあなたがたの前に置く。21:9この町にとどまる者は、つるぎと、ききんと、疫病とで死ぬ。しかし、出て行って、あなたがたを攻め囲んでいるカルデヤびとに降伏する者は死を免れ、その命は自分のぶんどり物となる。21:10主は言われる、わたしがこの町に顔を向けたのは幸を与えるためではなく、災を与えるためである。この町はバビロンの王の手に渡される。彼は火をもって、これを焼き払う』。
21:11またユダの王の家に言いなさい、『主の言葉を聞きなさい。21:12ダビデの家よ、主はこう仰せられる、
朝ごとに、正しいさばきを行い、
物を奪われた人をしえたげる者の手から救え。
そうしないと、あなたがたの悪い行いのために、
わたしの怒りは火のように燃えて、
それを消すことはできない』」。
21:13「主は言われる、谷に住む者よ、平原の岩よ、
見よ、わたしはあなたに敵する。
あなたがたは言う、
『だれが下ってきて、われわれを攻めるものか、
だれがわれわれのいる所に、はいるものか』と。
21:14わたしはあなたがたを、
その行いの実によって罰する。
またその林に火をつけて、
その周囲のものをみな焼き尽すと、主は言われる」。


Ⅱテモテ

第4章

4:1神のみまえと、生きている者と死んだ者とをさばくべきキリスト・イエスのみまえで、キリストの出現とその御国とを思い、おごそかに命じる。4:2御言を宣べ伝えなさい。時が良くても悪くても、それを励み、あくまでも寛容な心でよく教えて、責め、戒め、勧めなさい。4:3人々が健全な教に耐えられなくなり、耳ざわりのよい話をしてもらおうとして、自分勝手な好みにまかせて教師たちを寄せ集め、4:4そして、真理からは耳をそむけて、作り話の方にそれていく時が来るであろう。4:5しかし、あなたは、何事にも慎み、苦難を忍び、伝道者のわざをなし、自分の務を全うしなさい。4:6わたしは、すでに自身を犠牲としてささげている。わたしが世を去るべき時はきた。4:7わたしは戦いをりっぱに戦いぬき、走るべき行程を走りつくし、信仰を守りとおした。4:8今や、義の冠がわたしを待っているばかりである。かの日には、公平な審判者である主が、それを授けて下さるであろう。わたしばかりではなく、主の出現を心から待ち望んでいたすべての人にも授けて下さるであろう。
4:9わたしの所に、急いで早くきてほしい。4:10デマスはこの世を愛し、わたしを捨ててテサロニケに行ってしまい、クレスケンスはガラテヤに、テトスはダルマテヤに行った。4:11ただルカだけが、わたしのもとにいる。マルコを連れて、一緒にきなさい。彼はわたしの務のために役に立つから。4:12わたしはテキコをエペソにつかわした。4:13あなたが来るときに、トロアスのカルポの所に残しておいた上着を持ってきてほしい。また書物も、特に、羊皮紙のを持ってきてもらいたい。4:14銅細工人のアレキサンデルが、わたしを大いに苦しめた。主はそのしわざに対して、彼に報いなさるだろう。4:15あなたも、彼を警戒しなさい。彼は、わたしたちの言うことに強く反対したのだから。4:16わたしの第一回の弁明の際には、わたしに味方をする者はひとりもなく、みなわたしを捨てて行った。どうか、彼らが、そのために責められることがないように。4:17しかし、わたしが御言を余すところなく宣べ伝えて、すべての異邦人に聞かせるように、主はわたしを助け、力づけて下さった。そして、わたしは、ししの口から救い出されたのである。4:18主はわたしを、すべての悪のわざから助け出し、天にある御国に救い入れて下さるであろう。栄光が永遠から永遠にわたって主にあるように、アァメン。
4:19プリスカとアクラとに、またオネシポロの家に、よろしく伝えてほしい。4:20エラストはコリントにとどまっており、トロピモは病気なので、ミレトに残してきた。4:21冬になる前に、急いできてほしい。ユブロ、プデス、リノス、クラウデヤならびにすべての兄弟たちから、あなたによろしく。
4:22主が、あなたの霊と共にいますように。恵みが、あなたがたと共にあるように。


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